おととい、雪交じりの雨が降った時は、
久しぶりの湿気に、やった~と言いたくなった。
いや、窓を開けて、実際にやった~と言った。
長かった乾燥した日々から解放された。
湿気が、こんなにありがたい、と思ったのは、
生まれて初めてかもしれない。
小さい頃、湿気の多いところで育ったのもあって、
湿気がありがたいと思った記憶はない。
どちらかと言うと、湿気を恨めしく思っていた。
大好きなマンが本を部屋の隅に積んで2週間ほど置いておいただけで、
下の方から何冊かカビが生えていたことがあった。
冬は天気のいい日も少なく、いつもじめじめしていた。
関東に住んでいた叔母が遊びに来て、
雪が積っている時に洗濯物を干している事に驚いていた。
雪が積っている上に干したら、洗濯物が湿気るんじゃない?
と言っていた。
雪が積っているかどうかに関係なく、
一瞬の晴れ間に洗濯物を外に干すのは、当たり前のことなのに、
何を驚いているのだろうと思った。
湿気の多い田舎を出て、東京に住み始めた頃、
秋~冬のカラッとした感じが、
なんて気持ちのいいものなんだろうと思った。
洗濯物の乾きが、異様に早い。
関東に住んでいた叔母が、驚いていた理由がわかった気がした。
3日前まで、のどが痛い、のどが痛い、と思っていたら、
30日以上雨が降らない日が続いていたようで、すごく乾燥していた。
タオルを濡らしてかけても、洗濯物を部屋の中に干しても、
すぐに乾いてしまう。
おそろしい乾燥具合だった。
乾燥で、呼吸が苦しいような感じもしていた。
そこに、恵の湿気。
だけど。
3日も雨が続くと、1日くらい晴れてくれてもいいのにな、
と、3日前の感動は、すっかりなくなっている。
思った所で、天気は思い通りにはならない。
晴れが続くと加湿器がほしくなり、
雨の日には除湿機がほしくなる。
もし、いろんなものを手に入れて使えば、
適度な湿気、適度な乾燥で、快適に過ごせるかもしれない。
本当は思う通りにならない天気を、
思い通りにしてしまっているような錯覚を起こしそうだ。
雨が続くと、少し晴れた方がいいなとは思うけど、
あの、乾燥した息苦しさを考えると、
以前よりは、湿気を楽しめるようになったかもしれないと思う。
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