2014/11/30

難しいこと

ななせ
こたつに入ってたら、ななせが恐る恐るひざの上に乗ってきた。
何回もひざに乗ってきてるのに、まだ、乗る時はおそるおそる。
寝ているところを、なでてたら、
初めて会ったときのことを思い出した。
ねこシェルターのゲージの中の、さらに洗面器の中にまるまって、
出入りする人間を時々チラッと見ては、
寝たふり?をして息をひそめているようだった。

なぜか、すごく親近感がわいた。

こわがりで、おどおどして、今でも忍び足で歩く。
シェルターのボラさんから、かぼそい声で遠慮がちにしか鳴かないと聞いた気がしたけど、
お腹が減った時は全力で呼ぶし、まあ、かぼそくは無いな。

姫と初めて会ったのも、ななせと会ったのと同じ日。
ななせと同じ部屋のゲージにいて、ゲージには黒い布がかぶせてあって、
布の間から、きらっと光る眼をみた。
外が見えると落ち着かなかったらしい。
今となっちゃ、そんな影もみえないけど。

ななせの素性は、全く知らない。
姫は、1歳~2歳半くらいまで、預かりボランティアさんの家にいたみたい。
最近になって、そのボラさんが書いていたブログをみつけて、読んだ。
「姫」って名前は、そのボラさんが付けたらしい。
1歳までは、かなり苦労をしたようで、
保護された時は、4回洗ってもくさかったらしい。
しかも触れなかったそうで、麻酔をしている隙にシャンプーしてもらったんだって。

ななせと姫がうちに来ることになった時に、
保護をしていた人は、過去のことも、未来のことも何も言わなかった。
人間の世界にありがちな
「こういう経緯があるから、こう配慮してください」
なんてことを全く言われなかった。
もし、その時にたくさん聞いてたら、身構えただろうな。

最初に聞いたのは、
ゲージに目隠し布をすると安心して隠れていられるかも、
1~2年もすれば慣れてゲージから出てくると思います、
ということだけ。

姫とななせの行く先を心配しないわけはなく、
でも、くどくどと言わない。
潔い。
私には、なかなかできない、難しいこと。

人を信用する、って、そういうことなのかな、と思った。

2014/11/23

からっぽから

今月の始め、1週間ほど遠出をして、懐かしい人々に会ったり、
山の中を歩いたり、川を散歩したり、ぼ~っとしたり、
話をしないで1日過ごしてみたり、ゆったり話をしたり、
ゆっくり朝ごはんを食べたりした。
予定の詰まっていない、ゆったり流れる時間。
体の疲れが、ささ~と抜けた感じがした。

帰って来てから、今までは感じないようにしてたつもりの疲れを感じるのか、
疲れるのだけど、そうだよな、と、どこかで思っていたりする。

無理をしてるつもりはなかったけど、どこか無理をしてるんだよな。
体は正直なもんだ。
シェイカーズという、共同生活をしていた人々のコミュニティの跡も見た。
昔から、人はいろいろ考えて、いろんなことを試してきたんだ。
完璧ってのはありえなくても、人が生活するのに、どうするのが一番無理がないんだろう?って、
一生懸命考えて、試してきたのかもしれない。

本当に体がのびのびする暮らしって、どんななんだろう。
そういうことを、じっくり考えるのも悪くない。

ま、でも、実際に考え出すと、そうは言っても無理じゃない?
ということが、すぐに頭をかすめて難しいのだけど。
できるかどうかは別にして、こうだったらいいのかな?
って考えるだけなら簡単なはずなのに、
全くできそうもない、とか、今は無理だ、とか、お金がかかる、
な~んて、頭に少しチラつくだけで、考えが止まってしまうのが不思議。

山の中で、太鼓をたたいたのが、つい、昨日のことのような気もする。
あの、のびのびとした、なんとも言えないふわっとした感じ。
今も時々思い出す。
頭は、何にも考えてない時の方が、柔軟で、
こういう感じがいいって感覚も、研ぎ澄まされているんだろうな。

普段は、いろんなことで、頭がいっぱいだから。
たまには、頭をからっぽにしないと、
「何かしてみようかな」という気持ちも、どんどん消えていく気がする。

川の流れる音を、目を閉じて聞いてると、
水の中をプカプカ浮かんでいるような、心地よい感じだった。
しかも、川を遠くで見ている時と、近くに行ってみるのと、全然違って驚いた。
都内で川の音があるか?と思っていたけど、
帰って来てから、近くの公園とか、意外に水の音が聞ける場所をみつけて、
あるもんだ!と、それも驚いた。

たまには水の音を聴いて、頭をからっぽにしたいなと思う。