私はこう思ったからこうしたんですけど、と話しをするたびに、
「そんな風に考えるのはあなただけよ。他の人はそうは思わないわ」と言われて、
最初は、人の思うことは、みんないろいろじゃないか、と思っていたのに、
何回も何回も同じ人に、繰り返し言われ続けているうちに、
やっぱり、私っておかしいのかな?と思い始めた。
そういえば、幼稚園の時も、小学生のころも、私だけが変だった、
なんてことを、思い始めていたりする。
そんなことを言ってくる人とは、話をしないのが一番なのだけど、
それが上司となると、話をしないわけにもいかない。
だんだん自分だけが、とっても変な、異質な存在に思えてくる。
こいつは嫌い、嫌な奴だと思わないと、やってられない。
なのに「ごめんなさい。私はあなたを傷つけたのね。傷ついたってことがあったらその時に言ってちょうだい、私は気がつかないから…。」と謝られたりすると、そんなの知らないし言葉で伝えられたら苦労しないよ・・・と、絶句して返す言葉も見つからないのだけど、でも、悪気はないんだよな、と思ったりしてしまい、「嫌い」と言いきれなくなってしまう。
だから、ますます混乱してしまう。
話は変わって、幼稚園の頃に何ヶ月か、児童相談所に母親と通っていたことがあって、
その時に会った「先生」に、会わなくなった後もずっと、
小学校を卒業するまで、毎年バレンタインデーにチョコを送ってた。
たぶん手紙も書いて、まとめて母が送ってくれていた。
ということを、ふっと思いだした。
職場の近くで毎日会う、バスロータリーの交通整理のおじさんと顔見知りになって、
顔を合わせると、お互いに少しだけニコッとして、あいさつをするようになった。
会話はしたことがない。いつも挨拶だけ。
今日急に、ふっと、そのおじさんにチョコをあげたいな、というのが頭によぎって、
児童相談所の先生のことを思いだした。
朝、憂鬱な感じで駅から職場に向かう時に、
そのおじさんと顔を合わせると、ちょっと肩の力が抜ける。
仕事を変えると、そのおじさんとも、顔を合わせることはなくなるんだな、
なんて、まったく仕事に関係のないことで、寂しく思ったりする。
退職をする時には、お世話になりました、とあいさつに行こうかな。
ふっと肩の力が抜ける瞬間。
それは一人では起きにくくて、何か、があるとでき易いのかもしれない。
何か。
何か、って、何なんだろうな。
わからないな。
わからないけど。
でも、その「何か」、があると力が抜けやすい気がする。
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